大空のサムライ達




ゼロが待ってるぜ! (ZERO FIGHTER A6M5c/52-Hei)
太平洋戦争末期、日本軍は戦況の悪化、兵力補充のため、「学徒動員」と称し多くの若者を最前線へ送り込んだ。しかし、この時代に生きた若者達にとって戦は現実であり青春そのものであったにちがいない。みな、我先に進んで志願していったのだ。中でも、飛行予備学生は憧れの的だ。さあ、あなたもしばし零戦パイロットの気分に浸っていただきたい。時は昭和20年4月・九州。さあいよいよ搭乗だ。整備員の懸命の作業も終わりゼロがあなたを待っている!



まあ、乗りなよ(Can you ride?)


あなたに与えられた機は零式艦上戦闘機52型丙。20mm機関砲2丁、12.7mm機関砲3丁、60k爆弾1ヶを装備。この型はゼロの実戦配備最終型で、装備は最強だがエンジンは「栄」という開戦初期の物と同じで機体重量に対して非力となった。そのため、防弾ガラスなどの安全装備を付けて工場から送られるが、最前線ではこれを外して使用する強者どもがいた。撃たれた時のことは考えない、少しでも機体を軽くし敵を撃てる機体に改善する。これが日本海軍伝統の武士道だ。



じゃあ、いくぜ!(Engine main switch "ON")


各所定の点検がすんだらエンジンスタートだ。整備員に聞こえるように大きな声で叫ぶんだ「前放れ、スイッチオフ、イナーシャ回せ!」イナーシャスターターからの回転音が伝わってきた、「コンタクト!」主スイッチ「入」、イナーシャ・エンジン軸直結用レバー(座席右前方)を引いてごらん、ほらプロペラが回りだした。スロットルレバー(左手)を少し開く。おっと、操縦捍を手前に引きつけとかないとゼロがプロペラからおじぎしちまうぜ。(手がたりないだろ、足で操縦捍を巻き込んで支える!)まだまだ、各計器の確認、試運転と手続きはつづく。ゼロの鼓動が聞こえるだろ。



神風特攻菊水1号作戦を決行する。(Take off)


昭和20年4月6日早朝あなたはゼロに乗っている。神風特攻菊水1号作戦遂行の為に。今月始めから始まった敵軍、沖縄上陸作戦をなんとしても阻止せねばならない。神国日本の本土を敵にこれ以上汚さす訳にはいかない。敵機動部隊に体当たり攻撃をし致命的ダメージを直接与える当作戦は画期的なものだ。当作戦に参加できることを名誉に思う。「もはや君達は神の子である。」君達の行方には神の風が味方するのだ! 最後の盃を交わし、昨夜までの友に別れを告げ、故郷の母へ手紙をしたためる「僕に晴れの舞台が来ました」と。送るもの、送られるものが一つになる。二度と帰らぬ大空のサムライたちに最後の敬礼「帽振れ」は、機が天に消えるまで続く。





「戻る」か「進む」かは、あなた次第!
いや!   出撃!

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Nobuyuki Koukata